機械式時計あれこれ

グランドセイコー白樺を買う前に知っておいてよかったこと①~高級機械式時計の耐磁性~

腕時計の文字盤に魅せられてにようこそ

早速ですが、高級機械式時計には、
購入の際に知っておくべき前提があるのをご存じですか?

そのうちの一つ”耐磁性”について解説します。
一口で言うと、磁力に弱いということです。

今後シリーズ形式でお届け予定です。

第一回は耐磁性(磁力の影響を受けること)について

普通の電池で動く時計を使用していたら
絶対に気にしないこの性質を一緒に見ていきましょう。

この記事を読むとわかること

  • 機械式時計の耐磁性
  • グランドセイコー白樺モデルの耐磁性

金属と磁力について

皆さん、小学生の理科の実験を思い出してください。

鉄くぎに何度も磁石を近づけると、やがて砂鉄を引き寄せるようになる。
つまり鉄が磁石になります。
これを”磁化”といいます。
詳しい解説はwikipediaに譲ります。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A3%81%E5%8C%96

機械式の時計も、釘や歯車など金属部品が組みあがってできています。
当然、部品が磁石になってしまう危険性があるわけです。

時計と磁石について

では、時計の部品が磁石になってしまうとどういう影響があるでしょうか?

結論から言うと、時計の精度がくるってきます。

磁石になると困る部分~ひげゼンマイ~

下記は時計の精度をつかさどる”ひげゼンマイ”と呼ばれる部品です。
裏フタが透けている時計であればこいつが回転している様が見えるかと思います。

このひげゼンマイの真ん中の細い部分が伸縮する力を利用して
時計が動いています。

出典: グランドセイコーHP(厳密にいうと中央付近の銀色部分がひげゼンマイ。外側の金色部分はテンワ)

この部分が例えば磁力によって変な力が加わると、一気に時計の動きに影響が出てきます。

これがいわゆる”磁気帯び”です。

こういう部品がない電池で動く時計は磁気帯びの心配はありません。

日常に潜む磁気

いや、別に磁石なんて使わないし、、

そう思う方もいるでしょう。

ただ高校で電磁誘導という性質を習うと思いますが、
電流が流れているところは常に磁力の発生リスクがあります。

スマホもパソコンも磁力を発しています。

満員電車で人の持つスマホが磁気源と考えると

怖さがわかるかと思います。

なのでその時計がどれほど磁力に強いか。を考える必要があるわけです。

各時計メーカーの対磁性能

最近は、各時計メーカーが磁石になりにくい物質を使って
部品を作るようになっていますが、
部品が各メーカーごとに違うので、メーカーごとに対磁性能は異なります。

グランドセイコーの対磁性能

一般的には、磁気源から5cm離せば大丈夫
なので、基本スマホを手にもつ程度なら余裕です。

ちなみに、グランドセイコーの白樺の耐磁性については
自分の使用感レビューしましたので、
気になる方は下記をお読みください。

参考オメガにすべき?GS白樺を100日使った耐磁性能レビューと安心を呼ぶ習慣

続きを見る

機械式時計をしたいけど磁気帯びを本当に気にする方は

なんとシリコンで作ったヒゲゼンマイが
スイスの一部メーカー中心にあります。

これらは原理的に磁気帯しないので
本当に気にする方はそちらでも良いかもしれません。

オメガが最も有名で、coaxialと書いてあるシリーズは
なんとMRIに入れても問題ないという驚異的なスペックを誇ります。


本当に気にする方はこういったモデルを選ぶことも一案です。

それでもなぜ白樺を選んだのか

それでも白樺を選んだ理由は
主に3つの理由にあります。

一つずつ解説していきます。

磁力源から5cmは離せる想定ができた

ケースとして想定したのは

①ポケットに入ったスマホの上に置いた時

②スマホをいじる時

③パソコンのキーボード作業

の三点

実際に測ってみました。

どのケースも安心して5cm離せると判断。
こちらが問題なさそうと安心できたのが大きいです。

数か月後に、白樺の時期帯がどうだったか。レビューしたいと思います。

唯一の懸念は満員電車ですが、それは自分が吊革に捕まればある程度防げることと、

続く理由で決めました。

磁気帯は簡単に確かめられる

時期帯は調べることは簡単です。

100均の方位磁針で調べることが可能です。

時計に近づけた際に、方位磁針の針が振れるか、それを確認します。
針が振れたら磁気帯び懸念ありです。


出典: ムケオ様youtubeチャンネル。おそらく方位磁針は100均のオイルコンパスhttps://www.youtube.com/watch?v=b37xTMCg6MA

磁気抜き修理は簡単

磁気抜き修理は非常に簡単です。

基本的には時計の修理店に持っていけばすぐに対応してくれます。

五十君商店さんに問い合わせたところ、
実作業は1100円とのこと。

また、磁気抜き機なるものも市販されています。
いつかレビューしたいと思います。
(そもそも磁気帯しないとレビューができないので。。)

そこまで恐れる必要はないな。という印象でした。

まとめ 耐磁性能をきちんと確認しよう

基本的に現代の機械式時計は、磁気への対策が進んでいますが、

アンティークの時計を中心に対策がなかったり、
メーカーによっては耐磁が少なかったりします。

なのできちんとメーカーに確認して納得してから買いましょう!

高い買い物で後悔しないための一記事でした。

 

 

  • この記事を書いた人

腕時計の文字盤に魅せられて

そこら辺のサラリーマンですが グランドセイコーの腕時計白樺に魅せられて購入。 腕時計の世界に足を踏み入れました。 実機のレビューや展覧会参加レポなど通して 腕時計の良さを分かりやすく発信していきます!

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